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国際経済 東南アジア デジタル市場急拡大

「東南アジア デジタル市場急拡大」『讀賣新聞』2019年10月11日朝刊6ページ

 

「東南アジアで、デジタル経済が急拡大している。先進国と比べ、交通インフラが未成熟銀行口座を持つ人が少ないといった現状を逆手に、スマホなどを駆使したデジタルサービスが一足飛びに普及した。より多くの人が参画するための人材育成も進む。」

 

 

米IT大手グループなどは3日、電子商取引(EC)や旅行手配、配車サービスなどによる東南アジアのデジタル経済の市場規模は、2025年に3000億ドル(約32兆円)に達するとの予想を発表した(下図参考)。

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国別では

1、インドネシア 1330億ドル

2、タイ

3、ベトナム

4、シンガポール

と続く(下図参考)。

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東南アジア諸国連合(ASEAN)

人口約6億5千万人の約半数が30歳未満で、3億6千万人のネットユーザーが住む。

平均年5%台の経済成長が続き、所得が向上したことや、1台あたり数千円のスマホ端末が普及した事が成長の背景にある(下図参考)。

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スーパーアプリ】

配車、出前、宅配、金融など消費者の暮らしを助ける複数のサービスを1つにまとめたアプリ。f:id:tori3AK:20191012020800j:image

 

 

デカコーン企業

企業の価値を示す株式の評価額が100億ドルを超える巨大な未上場企業。

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ASEANを先導するのは、スーパーアプリを手がける新興企業のグラブ(本社・シンガポール)とゴジェック(同・インドネシア)の2社だ。

 

この2社がサービスするアプリでは、出前や宅配、公共料金や携帯電話代の支払い、ホテルやマッサージの予約、ハウスクリーニングまで網羅する(=スーパーアプリ)。

 

これが、配達がままならず商圏の狭さに悩む屋台の経営者や、料金のぼったくりに不満を持つ市民のニーズに合致して巨大なビジネスを生み出し、世界に20社ほどしかないデカコーン企業へと成長した。

 

 

グラブ

企業価値約140億ドル(約1.5兆円)程度

日本では日本航空(JAL)やNECを凌ぐ水準だ。

ソフトバンクグループやトヨタ自動車が1千億円以上を投じ、米マイクロソフトも出資した。

 

ゴジェック

世界最大の資産運用会社の米ブラックロック独保険大手アリアンツのほか、三菱商事三菱自動車から資金を得た。

 

 

シンガポール

人工知能(AI)などを扱うIT技術者の給与は日本を凌ぎ、高度人材の獲得競争で優位に立つ。

デジタル経済の急拡大に向け、官民での人材確保に注力する。

 

ベトナム

政府指導の人材育成が進む。

現在、大学など約250校で全学生の約1割がITを学び、今後は毎年5万人超の人材が業界入りする見通しだ。

 

今後の主戦場は金融に

電子決済による決済総額は25年に1兆ドルを上回り、域内で取引される金額全体の約半分を占める見通しだ。

10月から始まるASEAN首脳会議では、各国首脳が域内のデジタル経済分野の共通ルールを作りを進め、各国の計画を連携させた行程表「ASEANイノベーションロードマップ」を打ち出す。

日本政府は昨年、東南アジアでものづくりやデジタル産業などに携わる技術者や研究者らを5年間で8万人程度育成する方針を表明した。

日本企業にとっても、勢いのある成長市場の取り込みか欠かせない。